「荷物どうする?」


病院からの帰り道、まだ どこに行くかも決まってない私に啓太くんが聞いてくる

「あー荷物…まだいいや…実家に帰るつもりだし」


「……か」


「ん?」


「俺んとこ…こないか?」

「…今は…考えられない」

啓太くんの気持ちを知ってる私は、簡単に啓太くんに向かって行けなかった。


まだ翔ちゃんが好きだから
「…ごめんね」


「気にすんな、何かあったら電話して、アンテナ、ビンビンにして待ってるから」

アハハと笑った啓太くんにつられて私も笑った。


私の家が近くなった時

真剣な顔をした啓太くんが
「何でも良いから、淋しくなったり、辛くなったら、俺に電話して」


優しくするから…泣いちゃった。


泣きたくないのに