DEATH LIFE

 「お客様、何階をご利用ですかぁ?」

 俺はわざとおどけた風にアユに聞くと

 「……四階」

 と、小さく答える。

 「四階でございますね、上へ参りまぁす」

 『4』と書かれたボタンを押すと、ドアが閉まりエレベーターは上昇していく。

 「荷物……」

 2階と3階の間でアユが口を開いた。

 「ん?何か言ったか?」

 「……自分で持つから」

 相変わらずブスっとしたままアユは言う。