DEATH LIFE

 すぐに鍵を開けてやってもいいが――

 「面白いからもう少し見ててよう」

 そう呟いてから、その場に腰を下ろしてアユを眺める。

 しばらくポケットをあさっていたアユだが、やがて動きを止めて振り向いた。

 「……」

 泣きそうな顔をして、座り込んだ俺を見つめる。

 「……ばぁか」

 俺はポケットから自分の鍵を取り出して、目の前で揺らしながら言った。

 「これだろ?ほんと慌てもんなのな」

 俺は立ち上がりドアを開けて中へ入る。