「じゃあ契約書にサインしてね」

 俺はデスクの上に出された書類に目をざっと通し、サインをしてから拇印を押した。

 「はい!契約成立!これで晴れて貴方も死神よ」

 晴れてないけど……

 言葉にはせずに胸の内に納める。

 「私は死神大王の『ハ』よろしくね、カナデ君」

 「は?ハ?」

 「ハよ、ハ」

 「名前短っ!?」

 部屋の中がいつの間にか薄暗くなっていた。

 窓の外の夕日は落ちていない。