雑踏の真ん中で
人々の足音に耳を澄ます

覚束ず
ヨロケテは
転びそうな足音

堂々と
進んでは
スリ足で歩く音

太陽を
仰ぎ見て
カツカツと響く音

彼らは知らない
その音が全てじゃ無い事を
彼女達は気付かないソノ存在を

人は生き
歩み
道に標を残す

人は生き
踏みしめる
道の標を辿るように

決して
険しくとも
決して
平坦に思えても

ソノ標を辿り
足跡を残す者を
ソノ標を振り返り
足跡を見つめ直し

そっと足跡に問う
『間違っていないだろうか』

足跡は静かに語る
『足跡に間違いはありません』
『もともと答えもないさ』