んなで言うみたいだ。

さっきの5からの奴、やけに疲れてんなと思うと光三はにやけた。

「がんばるね~…こなしてるね~…」


首もとのよたバットマンのTシャツに自分で切ったデニムのハーフパンツを履いている。

出かけようと思いパジャマからハーフパンツに履きかえた瞬間に嫌になり扇風機を抱えて早40分。

これ以上ないほどに不毛な時間であることは本人も重々承知だ。

ダダンダンダダン!
ダダンダンダダン!

ターミネーターのテーマが鳴る。


彼の着信音はもう2年ほど変わっていない。

「んぁい。」

「ははははっ!なんだその声!2時だっつーのに寝てたのか?」

ハキハキとけなされた光三。

もはや慣れっこだ。
電話の相手は古田 タクオ
光三の幼なじみの秀才だ。

光三は誰も知らないような名前の三流大学。

タクオは日本でも1、2を争う有名大学。

会うたびにむなしくなるのだが、そういったことを全く気にしない彼とは気のおけない仲だった。

しかも光三にとっての「人生初~」はだいたいタクオに誘われたものだ。

人生初万引き

人生初タバコ

人生初風俗

人生初合コン

人生…