あの時に戻れたら【短編】

「なんでこんなにくれたの?」

渉はニヤッと小さな封筒を出した。

「有名私立高校の合格祝い」

わざと”有名”をつけるあたりが可愛いげがない。

「お祝いのお金?お礼言ったの?…で、お菓子は?」

「姉ちゃんにはお金がないからだって、姉ちゃんはお菓子な(笑)」


ニタニタする渉が憎たらしいが、可愛い。渉は、お父さんが死ぬか生きるかの間の中でも、きちんとお父さんとの約束を果たすために勉強をして、夢だった高校に合格した。そして、4月に入学をしたんだ。制服を着てお父さんの仏壇の前でも手を合わせて報告してたね、何かあると渉はすぐに仏壇の前に行って何やらブツブツ話すのが恒例になっていた。