あの時に戻れたら【短編】

次の日の朝からお父さんの入院生活が始まった。ここからは怒涛の生活だった。どんどん衰弱していくお父さんを見ているのがみんな辛かった。だから苦しい抗がん剤治療もやめた。最後は安らかに眠ってもらいたくて、みんな温かくお父さんを見守った。


生活の配慮で最後の時は自宅で迎える事が許された。お父さんは12月15日、自宅に戻って来た。そして意識も覚束ない中、おじいちゃんとおばあちゃんも駆け付けて12月20日、ついにその時を迎えるんだ。