あの時に戻れたら【短編】

私のおでこにお父さんの涙がポタポタ垂れてくる、外のライトアップに照らされてお父さんの顔は輝いて見えた。


「お父さん…お父さん…大好きだよ。ずっと私達家族を見守っててね…。」


「加奈子…父さん達の娘に産まれて来てくれてありがとう。こんなにいい娘を持って、父さんは世界で1番幸せな父親だ。」


お父さんは私の顔を見ると少し驚いた顔をした。私は自分の手の平を見ると、さっきより透けている。


「もう限界みたい…。」


「うん…加奈子…何を伝えたらいいか、わからなくなっちまったけど、父さんは家族を愛してるからな。加奈子…加奈子の事も、ずっと変わらず愛してる。本当にありがとう。いつまでも、幸せに暮らすんだぞ!」

私は泣きながら、たくさん頷いた。


「お父さん、最後にもう1回言って。”加奈子、愛してる”って…。」

お父さんは涙をボロボロ流しながら満面の笑みで言ってくれた。


「加奈子…愛してるよ…これからもずっと…」