彼の指が
私の身体を這うように
撫でる











彼がこんなに
私を求めてくるなんて
今までなかった











私は彼を抱きしめ
受け入れた











『ごめん』











「いいよ」












コトが終わって
謝って来る彼を
私は抱きしめて
頭を撫でた











「なんかあった?」











『俺今まで
好き勝手してきた
家のことはアニキに
押し付けてきた











でもアニキが
会社を継ぐのだけは
どうしても嫌だって
言うんだ』











「どうして?」












『会社継ぐとなると
強制的に婚約
しなきゃならないんだ
アニキも彼女いるし
だからって誰も
継がないわけに
いかないよな』











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