泡姫物語

「この話には続きがあってね、なかなかお見合いをうまくいかせようと頑張る仲介者さんにきっぱり言ったんだ」

「なんて?嫌なものは嫌、とか?」

私の目をじっと見つめてごくりと固唾を飲むのがわかる。
そんなに言いづらいことなの?

「僕には彼女こそいませんが、好きな女性がいます。って言ったんだ」

好きな女性、いたんだ。
そういえば、彼女がいないって話は聞いていたけど、片思いは自由だからいつ誰を好きになったって構わないんだ。

勝ち戦だったのに思わぬ伏兵に攻撃されてしまう戦国武将のような気分。
好きな人がいるんじゃあ討ち死にだ。