泡姫物語

すぐに駅まで着いてしまった。
あぁ、お別れだ。

「じゃあ、またね」

「うん、またケーキ作るね」

そう言うとくるっと後ろを向き、駅の階段を上り始める。

――お願い。最後にもう一度だけこっちを見て。

そう願うと階段を上る足を止めて本当にこっちを向いた。

「帰り道、マジで気をつけろよ」

「わかったよ。ありがとう」

お互い手を振って、今度は振り返ることなく階段を上りきって見えなくなってしまった。

私も帰ろう。友紀に報告しなくちゃ。