指定された時刻と場所に歩いて向かった


場所は『涼風の薔薇園』と言うところ
メノリは内心焦っていた
なぜなら食事会などといったことは、今まで縁のないものだったからだ
だから、正式な作法やマナーなどは、はきりいって自信がない


基本的なものは、ここに来てから教えられているがやはり不安だった


「……はぁ」


憂鬱そうにため息をつく
チラリと数歩後ろを歩くティアに視線を投げる



「どうかなさいましたか」


「………いいえ。何でもない……」



緊張など微塵もないようだ
抑揚のない返答にメノリは眉根を寄せる
もう少しくらい、おしゃべりしてくれてもいいのに……そしたら緊張が和らぐかもしれないのに


内心ぶつぶついいながら、歩いていると涼風の薔薇園が見えてきた