六花の騎士




広い屋敷の庭の影で、小さな少女は泣いていた
めったに泣かない少女だったが、この時は枯れてしまいそうなほど、泣いていた


(役にたたないわよ、あんな子)
(この家じゃあ、剣を握ってもなんの価値もないのに)


ヴェルラドル家では、女子は良い家柄の者と政略結婚をするのが普通、といった家だった
だから表情が少なく、剣しか握らないリアは、ただの役立たずだった
親族からの叱責に耐えるのも限界が来ていた


役立たず


投げつけられる言葉は胸を刺す
でも、剣を握る事しか出来ないのだ
愛想を振りまいて、つまらないおしゃべりをして
そんなのは、性に合わないのに


でも、何も出来ないから役立たずでしかなくて………