月が高い位置にある
メノリの離宮からそう離れていない場所にティアは部屋をもらった
そこへ帰る途中、ティアは人影を見つける
「オーガレス様ですか」
人影が笑う気配がした
夜眼にも目立つ白い軍服に……鮮やかな赤い瞳
「良くわかったね」
「…………」
「君はなぜアルメリア様に呼ばれたのかな?」
唐突な話にもティアは動じない
質問されてもおかしくはないことだから
「……私が、不完全だからではないでしょうか」
「………不完全」
オーガレスは、その静かな紫紺の瞳を見つめた
いっそ無遠慮なほど真っ直ぐに見つめ返すその瞳
「適わないな……」


