六花の騎士




ティアは更に言葉を紡いでいく


「私は幼いころ……何も知らなかった。ただ優しい人に守られて、すべき事をせずにいました……」



メノリは、はっとする
今まで、淡々とものを映しているだけだった瞳が、はじめて『人らしい』憂いのような色を宿した



「知らずにいたことを知った時、私はとても後悔しました」


無表情のままだった


けれど、メノリは思った



……ああ、この人は……



「そんな私に、ある方が手を差出して下さいました。その方は、私に出来る事を用意して下さったんです。ならば、私は私にしか出来ない事をやり遂げて見せます」



ただ、真っ直ぐな瞳



……この人は……


(きっと、たくさんのことを乗り越えたんだ…………)



たくさんのものを失って