六花の騎士




「メノリ様、少し聞いていただきたい事が」


びくりとメノリは、我知らず身を強張らせた



「なっ何……?」


「……私は…義務で貴方に使えています」


「………えっ?」


「その……『義務』とだけ言ってしまえば、それだけかもしれませんが…」



ティアは、言葉を探すように目を伏せる



「私は私にしか出来ない事……をします」


どきりと胸が跳ねた


義務……それは遠い言葉だと思っていた
なぜこの城の人は、そんなものに拘(こだわ)るのか?
偉そうな人達は言った



それは『義務』それは『王族の役割』しなければならない事



私にしか出来ない事……



(……私がずっと逃げ続けた事……)