あの子の名を呼ぶ
けれど、応えはない……
アレから5年近くたっただろうか
アルセリアの離宮だった場所はアルメリアの温室となった
ある日、そこで読書をしていたアルメリアに側付きの近衛騎士がその報せを持ってきた
「アルメリア様」
「何?」
応えたアルメリアはもうすぐ16歳になる
見目麗しく育ったアルメリアは花に囲まれている
天蓋つきのベッド
だがソレは用をなしているのか、年若い騎士の男は謎に思う
確かにベッドだと言うのにその上は花だらけ
その脇に美しい少女が腰掛けて読書をしているのだ
何はともあれ、騎士はめでたい報告を告げる
「新たな王族の方が見つかったそうなのでお知らせに」
「新しい……王族?」
アルメリアは首をかしげた
アルメリア以外の今いる王族は4人
その人達は皆、アルメリアよりも年上でまだ生きている
新しい王族?ソレはなんだ?
みんないるではないか
なのに………?
「その方は空席だった水の属性だそうで」
騎士の男は朗らかに告げる


