六花の騎士




地鳴りを上げて建物を覆い尽くしたのは樹木だった


庭の木が這いずるように移動したもの
新たに地面から生えたような若々しい蔦や葉


逃げ出した侍女たちは庭に座りこみ呆然とその様子を眺めていた


「アルメリアさま……」



樹木の天使


ただ、樹木を操り若葉を芽吹かせているだけではない


大量の……一つの離宮を呑み込んでしまう程に樹木が取り囲んでいる
それはまるで緑のドームのようだ



しかし、そこまで出来るような巨大な力


それを目の当たりにして、ただの人間には見ていることしかできないのだ


騒ぎを聞き付けて集まる衛兵たちも


ただ見ているしか出来なかった











天蓋つきのベッド
初めてそれを見たときは2人ではしゃいだ


『すごい!すごーい!』

『わぁっフッカフカ!』


2人で一人分にしては大きすぎるベッドに飛び込む


『まるでお姫様みたい!』



決まりとして王族それぞれに離宮が与えられる
そこに別々に寝なくてはならなかった
だが、2人は侍女におねだりしてこっそりここで2人で眠った