六花の騎士




錆付いた匂いに顔をしかめつつ、レイドはランプを使い辺りを見回す
けれど、人がいる様子はなかった


「ここにはいないみたい」


ユリアが呟くと同時にレイドが素早く腕を掴みユリアを自分の背後にやった


「お客さんみたいだな」


レイドが呟き、ユリアもその気配を察知する
堅い石段を降りてくる足音が無数にした



その足音と直ぐにぶつかった



「このような場所に何用ですかな『雷光の薔薇騎士』殿?」



軽く嘲るように男は言った
ランプの明かりに照らされたその男の顔を見てレイドは不敵に笑う



「アルメリアの狂信部隊こそ、こんな所でどうしたんだよ」



アルメリアは長く王族でいる間に狂信的ともいえる部下達を軍内部に持っていた
アルメリアに絶対服従
危険を顧みず任務を遂行させる
それを皮肉る言葉が『狂信部隊』と言うわけだ


その中心人物の顔はよく知っている
しかし、レイドの言葉にもその男は眉一つ動かさず言った



「おやおや、失礼した。雷光の薔薇騎士殿と雷鳴の天使様はウォルター伯爵低に滞在中のはず。ここにいるはずがない」


「ちょっと、あんた!」


ユリアが叫ぼうとするがレイドが制する
………こいつらの目的はただ一つ


芝居がかった口調て剣を貫きながら男は言った


「ならばここに居るのは王宮の侵入者。それを始末しなくては………ねぇ?」



いくつも剣を引き抜く音がする
ここからレイド達を出す気はないらしい