レイドとユリアが向かった場所には建物はなかった
木々に隠れる様にして地面に埋め込まれた扉だけだった
「こんな場所に……」
「怪しさ全開ね」
古びた錠がかけられていたがレイドは剣で軽く壊して扉を開く
両開きの扉を開けば石造りの階段が地下にのびていた
降りてすぐの壁に備え付けのランプを見つけてレイドが火を点ける
辺りは随分と陰気な雰囲気だ
ほの暗い道を進んでいく
ユリアはレイドの隣を進みながら辺りを見回す
何だか……陰惨な気配が足下に絡み付くようにしてある
「なんで王宮にこんな場所が?」
ユリアの疑問は最もだ
ユリアは利口だといってもまだ子供だということには代わりがない
少し悩んだがレイドは口を開く
「公に出来ない罪人なんかを始末する場所だろうな」
レイドの隣から息をのむ気配がする
ユリアにそんな想像が直ぐにつくはずはない
これは、年若い王族にこそ本来伝えられないことだろう
光の中にあるべき王にこんな闇をわざわざ見せる必要はない
……アルメリアは知っていたようだが
しばらく行くと、レイドの言葉を裏付けるようにポッカリとあいた空間が現れる
冷たい鉄の棒が並んだ牢屋
その中にはおぞましい形をした器具が並んでいる
拷問をするための道具のようだ


