薄く水の幕を張ったような浅い微睡み
メノリは身体の不快な倦怠感を振り払うように眉根をキツく寄せた
揺られていることはわかる
しかし、ここが何処だか分からない
(ティア………?)
膝裏と肩に人の手の感触がする
しかし、直ぐにメノリの騎士のモノではないと思う
もっと…………
ティアはもっと優しくメノリに触れる
こんなふうに……嫌な倦怠感を助長するような、ただの荷物を運ぶような触れ方はしない
霞み掛かった思考でメノリは思い出す
こんなふうにティアに抱かれたのは……確か初めて行った儀式の時だ
そう……その日は初めてティアに出会った日でもあるのだ
あの時からだ
鮮やかな日々になったのは
ピクリと身動いだ少女に、抱きかかえた青年は哀れみの眼差しを向ける
「いい夢でも見ているのか?」
キツく寄せられた眉根は直ぐに緩み……幸せそうに微笑んだ
けれど………
「子羊は悪魔に捧げられる……………ってね」


