六花の騎士




「天使なんていわれるが、ある意味悪魔の囁きかもね」



アルフレッドはギクリとした
マリオンはその瞳に恐怖ににた影を見る


「アルフレッド君。今から言うことは私の独り言だ」


逆らえないような強い声でマリオンが言うので、アルフレッドはただうなずいた




「いつか答えなくてはいけない日がくる。今は大丈夫でも、いつかは絶対に逆らえなくなる……その時は」



アルフレッドが息をのむ気配が伝わってくる
何に答えなくてはいけないのか、マリオンの言葉に困惑している




「呪われた運命を断ち切ってやってくれ……私には出来そうにないんだ……」



マリオンは微笑む
哀しみを込めて



最近、中庭の噴水によく浸っている
噴水の水は都市の傍に流れる大河から引いている
その大河の元はサンヴェルジェ、マリオンの故郷に通じている


煩わしい能力だと思っていたが、皮肉にもその能力が愛しい妹との再会に役立った
水は遥か彼方の白い故郷にマリオンの意識を運んだのだ


残酷な事を自分がしている自覚はあった……まだアルメリアに染まっていない少年達や一番大切な妹さえ巻き込んで


マリオンは悲しすぎる運命に楔を打ち込むのだ