六花の騎士




「私、つまらない問答はしたくないの。私の問いにだけ答えてちょうだい」


何時ものように喋っているが、その瞳の奥にはジリジリと焦げ付くような焦りがあった


「すみません。鍵が空いていたので」

「だからって入るのが紳士かしら?」

「あはは、僕はまだまだ子供ですよ。そんな事より、見られてはまずいものなのでしょう?」


ベッドに押さえ付けられたまま、首だけで『それ』がある方を見た


「だから隠してる。貴方の…………!!」


言い終わる前にマリオンは息を詰めた
アルメリアは彫刻のような顔を微動だにせずマリオンの首を締めた


言葉を飲み込んでマリオンは首にかかる細い腕を掴む
呑気な笑みを浮かべつつアルメリアの意外な腕力に冷や汗を流した


首にかかる手には濃密な憎悪が込められている


「ず……ぼし……です…か?」

「ええ、そうよ」


アルメリアは手の力とは裏腹に妖しく笑った


「私の最愛の妹、アルセリアですわ」


クスクスとアルメリアは笑う


「貴方を……水属性の天使はアルセリアだけなのよ?貴方が居てはいけないの」


ベッドの上には、枯れ木のような紅い髪のミイラがあるだけだ
しかし、アルメリアはそちらを見て少女のように微笑んだ


「待ってて、アルセリア。今、偽物を殺すから」