植物が美しく育っている
外から見てもよく成長しているのは、その温室の主人が樹木の天使だからだろうか
よくわからない声に誘われるように来てしまったが入り口が見当たらない
ぐるりと周りを歩いていると扉を見つけた
「?」
マリオンは不思議に思う
他者の侵入を拒むような頑丈そうな鍵があるのに、何故か鍵がかかってはいなかった
「罠っぽいな………」
少し考えたが、やはり胸騒ぎのようにその奥へ行きたい気持ちになる
マリオンは息を潜めて扉を開けて中へ入った
甘い花の香が鼻孔をくすぐる
ベッドがあった
何故か心臓を掴まれたようにビックリした
(………何だ?)
自分の鼓動がうるさい
ゆっくりとベッドへと近づいた
天蓋つきのベッド
その上に誰かがいる
しかし、ピクリともその影は動かない
すぐ傍まで来てマリオンは立ち止まる
マリオンの見開かれた紫紺の瞳から静かに凍り付くような涙が一筋、零れた
「……アルメリア……君は…」
マリオンはベッドの上に横たわる『それ』に触れた瞬間全てを悟った


