「まぁ、辛いなら無理しなくて良いんじゃない」
そういいながらお菓子を広げるマリオン
少し気が遠くなりながらオーガレスは押し黙る
マリオンはお菓子をつまみながら言った
「僕は君の立場に立った事がないからわからないけど、ずっと気を張ることはないよ。それじゃあ、いつか倒れてしまう」
自分がそうだった
ここで生きていくのはとても難しかった
勉強は村でも出来る限りのやっていたから問題はないが、謀略や政治なんてものは全く解らなかったから
「そんなこと………初めて言われました……」
オーガレスは幼い顔に似合わない、大人びた表情をした
だが、とマリオンは肩をすくめる
「それを言われない君は可哀相なんだよ?」
冷静に感情を表に出さないように、そう教育されたことが透けて見えるような硬質な表情に苦い何かが走る
押さえ付けられてきた隠しきれないオーガレス自身の本当の感情が揺れていた
それを何故か初めて会ったマリオンに見破られたようで釈然としない
しかし、オーガレスの胸の奥でわだかまっていた何かが溶けていくようにも感じてしまった
「………貴方は変だ」
ニコリとマリオンは笑った
「知ってるさ」


