人目を避けて隠れようとしていたので、ニコリとマリオンは笑った
「そこに居るのは誰だ!」
楽しげに弾んだ声で右手を上げて振り下ろす
すると近くにあった噴水の水が勢い良く吹き出して、意思を持ってその木に向かって行った
「うわぁ!?」
幼い子供特有の高い声で悲鳴が上がる
聖花の騎士の軍服を着た少年がマリオンの操る水に連れられて木から現れる
艶やかな黒い髪に整った顔立ちが目を引くが
「わぁ、紅い眼だ!」
少年は驚きに眼を見開いていたが、マリオンの呑気な声に脱力した
水にされるがままにされて、マリオンの前までやってくる
「あはは、ごめんね。人影が見えたから怪しい奴かと思ったんだ」
「いえ、見苦しい所をお見せしてしまいました。申し訳ありません」
まだ幼さの残る少年は、外見に似合わない丁寧な態度をしている
しかし、マリオンの水に包まれたのに身体が濡れていないことには当惑しているのが、ちぐはぐな印象で自然と笑みがこぼれた


