初めて出会ったのは、偶然だった
いくら英才教育を受けているとはいえ、オーガレスは11才という若さで軍に入れられた
まだ遊びたい盛りに家での教育だけでなく、軍での訓練に赤い瞳に宿る能力を扱う訓練……
それに少しだけ、嫌気がさしてオーガレスは訓練塔から逃げたことがあった
王宮の庭ならば見つかることはない
そこでマリオンと出会った
雪が降っていた
大きな雪片は大地を白でうめる
貴人専用の馬車はとても綺麗だが、マリオンはそれに目を引かれることはなかった
気になるのは家の中に居る少女のことだけだ
「ティア……」
名前を小さく呼んだが、それ以上は言葉に出来ない
今は眠る少女を家に戻って抱き締めれば、少女は残酷な別れを見なくてはならないから
(それに……こんな色じゃ僕だとわからないかな)
短いマリオンの髪は染め上げたような紅い色
少女と同じくすんだ色のブロンドではなくなってしまったから
御者や王宮の役人に急かされマリオンは馬車に乗る
馬車は静かに動き出した
村の建物が見えなくなるまで、マリオンはじっと窓の外を見ていた
マリオン
16才の冬だった


