少女は雪の中にいた
くすんだ金髪、ぬけるような肌は寒さのせいかほんのり色付いている
まだ4つ程の歳にしかならない少女は、村の外れにある雪解けで出来た湖のそばにいた
深い雪を踏みしめて、湖を覗き込んだ
湖には厚い氷で覆われていたが、氷が切り取られている所があるのだ
そこに顔を覗かせて、湖の深い深遠を見つけようとした
「にいさま……」
呟けば、湖は突如として輝き始める
幼い記憶……覚えているはずのない更に幼い頃の暖かい人
大切な人
その人の伝えようとしている事を少女は必死に掴もうとした
小さな手のひらが伸ばした先に緋色の双子の姿があった
その少女に理解出来たとは思わない
けれど、少女はその12年後
自らの歩む道を決めたのだ
慕わしい故郷に女神の姿をした紅い死神が現れるその時まで


