六花の騎士




『青薔薇の騎士』


白い軍服に青色をあしらい、くすんだ金髪に茨の髪飾りと青薔薇の造花を右目に繋いで眼帯のかわりにしている


ティア・ローズ
まだ16歳の騎士


透き通る白い肌に整った顔立ちだが、表情は乏しい
それが人形的な儚い美しさを匂わせる


けれど、彼女はそれだけではないとオーガレスは思っている
まだ2ヶ月ほどしか関わっていないが、時折垣間見える淡い感情


凪いだ水面のように静かなティアの顔に、一つの水滴が波紋を広げるように淡く浮上する感情がなんなのか…………興味深い



朝、オーガレスはティアの部屋へと向かった












朝の日差しが差し込む部屋でティアは鏡の中の自分を見ていた


ここはウォルター家の別邸で、メノリにあてがわれた部屋に繋がる一室だった
扉を一枚隔ててティアの主であるメノリがいるので、護衛には問題がない


軍服はいつも通りきっちりと着ているが、まだ造花の髪飾りをつけていない


ゆえに、右目があらわになっている
その右目を見ながらティアは考えた


(色に何の意味がある?)


(オーガレス様にキャリベル様………私は…………)




そっと鏡に手を添える
右目を見つめていると、封印したはずの過去が押し寄せてくる


何時だったろう?


幼い記憶、押し寄せる光景





赤い双子の記憶