ユリアが来て1年ほどで
マリオンが死んだ





その時、俺は4年前のマリオンの言葉を思い出していた


『呪われた運命を断ち切ってくれないか……私には出来そうにないから……』


マリオンの独り言……



君は知っていたのか?


こうなる事を……





ウォルター邸で最悪な知らせを聞いたアルフレッドは持っていた資料を床に落とした


15だった自分はもう19歳になったのに今だにあの紫紺の瞳の真意は解らないままだった………いや


手掛かりは掴めそうだった
アルメリアだ



窓に叩きつけられる雨を見ながら窓辺に力なく寄りかかる
そこに執事がやってきた
気のきく執事は客人を直接通した



「フレッド!」



泣きそうな顔をしたミラ
彼女も少なからずマリオンと関わっていたから……
アルフレッドは苦笑いを浮かべた
真っ直ぐ自分を見る深緑の瞳



「ミラ……」

「バカ!」


力強く怒鳴られ、駆け寄ってきたミラはアルフレッドを抱き締めた


「辛い時にそんなふうに笑わないで!」


「……そうだね」


そっとミラの肩口に顔を埋めてアルフレッドは抱き返す
悲しみを分け合うように