トーワが王宮に来て3年はたった頃、新たにユリアという少女が王宮に来た


少しつり目気味の金色の瞳にくせのあるショートヘアの元気な少女だった


その騎士にミハエルが選ばれたが、それは一年後の悲劇的な別れの始まりだった

ユリアが王宮に来て間もなくレイド・コルテウスが聖花隊に大抜擢された
平民の出でありながら剣の腕は誰よりも秀でていた
能力さえあれば誰も貴賤(きせん)は問わない
王族だって元は庶民なのだから


だから、アルフレッドは伯爵子息といえどそれを振りかざして偉そうにはしない
たまに勘違いした奴もいるが、貴族としての誇りがあればそんなことはしない


貴族は皆の模範とならなくてはならない
誇り高く、気高く、高潔なものだ
完璧を求められる
それに息が詰まりそうになることがあったが、アルフレッドには息抜きがある
つまらないパーティーは抜け出せばいい……


『貴族』の時は長年の英才教育でつちかって来たもので完璧にやり通せば問題ない


それ以外、『アルフレッド』の時は自由に手を広げて……






星空を見上げられた