幾つかキャリベルに報告を聞いてアルフレッドは王宮を歩いていた
すっかり日もくれて藍色に染まり始めた空に一つ、二つ小さな星が見える
「いつかは……」
ポツリと呟いて、ふと中庭に誰か居ることに気付く
そう言えば、この辺は炎属性の王族が住む離宮の側だ
今はトーワ様が離宮に入ったはずだ
気配がした方に足を向ければ、赤い小さな頭が木の影にうずくまっていた
(やっぱりトーワ様か……)
しかし、アルフレッドよりも先に幼い影に近づく人物がいた
マリオンだった
アルフレッドは出るタイミングを失って様子を眺める事にした
マリオンはトーワ撫でようとしたのか手をのばしたが、トーワは手を振り払った
だが、楽しげにマリオンは笑っていた
(やっぱり真性の子供好きだな)
そう思っていると、何事か呟いたマリオン
紫紺の瞳は優しげにトーワを見ていた
静かな沈黙の後、マリオンは優しくトーワを抱き寄せた
トーワはマリオンの腕の中で少しだけ身動いだが、力が抜けたようにされるがままになっているように見えた
遠目だったがトーワの深緑の瞳が見えた
ミラと同じ鮮やかな緑
しかし、その瞳は何を映しているのだろうか……?
辛い事があったはずなのに、幼い少年は涙一つ流さずにいた
まるでそれが贖罪のように


