六花の騎士




「攫われた時に何かいわれたようなの」

「それで……」


アルフレッドも子供に似つかわしくない虚ろな瞳をしたトーワを見ていた

けれど、キャリベルは哀しげに首を振った


「確かに、能力の暴走はそれが原因だと思うの……でも私はそれ自体……」

「どうした?」

「貴方だから言うのよ……」


2人しかいない医務室
辺りに人の気配が無いことを確かめアルフレッドはキャリベルに問うた
キャリベルは紅色がかった瞳に強い意志を宿らせた


「誘拐も能力の暴走も……策略だと思うわ。誰かが周到に用意した……」

「……アルメリア様か?」


ピクリと反応したキャリベルにアルフレッドは深く息を吐く

グシャグシャと前髪を掻き混ぜる


何でまた面倒な人物……アルメリアは確実に黒だろう
彼女は頭が良すぎる


「なぜだ……?」


「私にも分からないわ。でも……もうトーワ様を傷つけるような事は誰にもさせない……」


キャリベルはたった一人の主を見つけたように……いや、自身の主を見つけたのだろう
キャリベルの瞳は強い光を称えていた


それをアルフレッドは眩しい物を見るように見た


いつかはミラもそんな風に誰かを見つめるのだろうか……?


(そうなるだろな……)



アルフレッドは哀しげに笑う



キャリベルも、ミラも
騎士なのだから……いつか美しい白い軍服を着て、緋色の髪をした主を守っていくのだろう……………