マリオンの離宮を出てアルフレッドは魂が抜けたように歩いていた
(どういう意味だったんだ……呪われた運命?)
マリオンの微笑みはとても優しげだが、それ以上に底がない
全く読めないのだ
アルフレッドはやけに木々の多い離宮に来た
ここは代々、木の属性の天使が住まう場所だ
他の離宮と違うのは、小さな温室があることだろう………小さいとは言ってもかなり立派な物なのだが
何十年か前にアルメリアが命じて作らせたそうだ
離宮の前まできて侍女に取り次いでもらおうとした時、後ろから声がかけられた
「あら、お久しぶり」
「アッ、アルメリア様!」
驚いて振り返ったアルフレッドの後ろには花束をもつアルメリアがいた
先ほど、マリオンのときも思ったが王族というのは神出鬼没なのだろうか……
「驚かせてしまいましたわね」
「いえ、すみません。少しお話を聞きたくて」
クスクスと微笑むアルメリアはもう70年は生きているはずだが、それを感じさせない美貌だ
「では部屋でゆっくりお話しましょうか」
(不老長寿ってすごいな…)
雪のような肌に赤い艶やかな唇
それよりも鮮やかな真紅の長い髪に琥珀の瞳
それが作り物のように完璧に整っているのに、実年齢は大変なものだ
真っ白な花を抱えたアルメリアに促されてアルフレッドは離宮に足を踏み入れた


