「能力を使う時ってどんなふうなんですか?」
出会ったついでにマリオンの離宮に立ちよったアルフレッドは聞いてみた
「そうだね……声がするかな」
「声?」
マリオンはとても頭が良かった
2年前に初めて会った時からアルフレッドや他の貴族が自分を観察している意味をわかっていたようだ
『僕を調べたいなら直球でくることだね。素直な子供になら答えてあげるよ』
アルフレッドに言った言葉だ
自分も子供だろう……と思ったが優しく細められた紫紺の瞳を見て、言葉どおり直球で聞くとなんでも答えてくれた
年配のたぬきオヤジたちが遠回しに聞くと上手くけむに巻くというのに……
要はマリオンは子供好きなのだ
「私の故郷はサンヴェルジュエなんだが、随分山奥で暮らしてたんだ。声が聞えても自然にある音かと思ってたんだけど、そうじゃなかった」
「……どんな声なんです?」
ソファーに座りくつろぐマリオンは開かれた窓から見える青空をみる
まるで遠くにある故郷を見るように
「耳元で囁くような呟くような、不思議な声だよ。それに応えた瞬間こうなった」
マリオンは視線をアルフレッドに戻し、赤い髪を摘んでみせた


