アルフレッドはミラやオーガレスと別れたあと王族達の住まう離宮へと向かっていた
土属性の天使は不在
他は60歳は越えていて3年前に水の天使が亡くなっている
そして、2年前にマリオンという新たな王族が加わった
稀な体質、不老長寿のアルメリアは相変わらず元気なままだが、他の方々はもう儀式を行えない段階に来ている
「やぁ、アルフレッド君」
朗らかに声がかけられ、アルフレッドがそちらを見れば廊下と隣接した庭の噴水でびしょ濡れな人物を見つけてしまった
「何してるんですか!?マリオン様」
靴は脱いでいるがそれ以外の着衣はしたまま、赤い髪からも雫を垂らして噴水の淵に腰掛けている
「暇だったからね。ちょっとあそんでたんだ」
子供のような事をいうが今は確か十八歳ぐらいだ
これで自分より三つも年上だと思うとため息がこぼれる
だが、マリオンは口調だけは落ち着いていて大人びた一面もある
掴みどころのない人物だった
「あそんでたんだ、じゃないですよ。全身ずぶ濡れで」
「大丈夫、汚さないから」
汚れる以前の問題だと思ったがタオルを持ってこようと思った瞬間マリオンに異変がおこる
水に浸けていた足を外に出すと足や服につたっていた雫が宙に浮いたのだ
「水属性は便利でいいよ」
儀式以外で初めてみたマリオンの能力
驚いているアルフレッドにクスリと笑って水気のなくなった足で靴を履く
そうしている間にも全身の水気は宙にプカプカと浮いていく
「便利な能力で……」
さすがのアルフレッドも呆れて言うとマリオンは気にした様子もなく不敵に微笑んだ
「だろう?」


