幼なじみがいる
階級は違っても対等に話していた、そんな貴重で愛しい存在………
長いブラウンの豊かな髪を頭の後ろで動きやすいように一つに束ね、服は動きやすくシャツにパンツでブーツをはいている
腰には練習用だが剣がしっかりとある
愛しい…………と貴族の自分が言うにはかなり雄々しい出で立ちだが
そんな彼女がとても好きだ……
「ミラ!何度いったら解るんだ!?お前は騎士になる必要はないんだ」
ぴしゃりと叱りつけるのはミラの父親
キューレル子爵だ
険しい顔でミラを見ている父親に対してミラはニッコリ微笑む
「嫌ですわ」
ミラは長女なので王宮に女官として仕えさせて良い伝手をとってこさせたいと思っているのだろう
けれど、それを簡単に承知するほどミラはお淑やかではない
アルフレッドは親子の押し問答を影から見て笑っていた
今いるのは小鳥も止まる木の上
そこからキューレル子爵邸を覗いていた
クスクス笑っていたら気配に気付いたのだろう、ミラが話を切り上げて屋敷から出て来た
「フレッド、盗み聞き?趣味のよろしいこと」
木の下で腕を組み呆れた表情でミラはアルフレッドを見上げた
物心つくまえからの幼なじみはアルフレッドを愛称で呼ぶ
それが特別な気がして家族以外には呼ばせてない愛称をミラには許している
……と言うか
『アルフレッドは長いからフレッドでいいでしょ?』
と半ば強引にそうなったのだが
ただ、それが嬉しかった
アルフレッドはにっこり笑って木から飛び降りる
「じゃあ行こうか!」


