六花の騎士




セイルはホクホクと笑う


「本当に良かったです〜。そろそろ儀式を行わないと、本当に大変な事に……」

「あの」

「はい?」

「儀式とは?それに時間がないのですか」



ティアが言うと、セイルははっと青ざめる


「あっあっ!そ、そうなんです!メノリ様は準備ができておりますか?」


「…いえ、少し体調がよろしくなくて、休んでおられますが……」


ゼイルが涙目でさらに青ざめる
歳は20ほどだが、ずいぶん幼く見える
おそらく行動が落ち着いていないからだろう


「あ、あの、どうしてもダメなんでしょうか。メノリ様がいらしてしばらくたちますが……まだ一度も儀式を行っておられないんです」

「一度も?」

「はい……」



うつむいて腕に抱えた聖書らしき本にギュっと力をこめる


「……このまま儀式を行わなければ、メノリ様の立場が……」


そう言ったセイルが、顔を上げるとティアはメノリの寝室に入って行くところだった


「えっあ、あの、騎士様?」


セイルも部屋に入ろうとしたが寝室だとわかり、部屋に入ってすぐ手前で足を止める