「……イラナイ」
ユリアは拳を握りしめる
「イラナイ!アンタなんかいらない!!」
固く握ったユリアの手は弱々しく、それでも貫くような強さでレイドの肩を叩く
ユリアの哀しみに呼応するように雷鳴がとどろいた
「ミッ…ハエル……ミハエルゥ……」
しゃくり上げて泣き、どうしようもない怒りをぶつけるユリアをレイドは好きなようにさせていた
ひとしきり叩き続けて、力尽きたように腕を下ろしたユリアの頭をレイドはそっと撫でた
その手のひらの暖かさに、優しく微笑む騎士のことを思い出して一層涙が込み上げる
「すまない……」
密やかに呟くレイドの声
そのまま哀しみを纏った言葉を紡ぐ
「俺はミハエル様の代わりにはなれないだろうな」
哀しい声に、けれど強い意志を込めて
「けど………お前を守るよ」
ユリアはコテンと頭をレイドの肩に押しつける
八つ当たりだ
なのに彼はソレを全て受け止めてくれた………
「………うん」
小さく小さく、ユリアは呟いた


