六花の騎士




雨が強くなり、馬車と4人を強かに打ちつける



「トーワ、ユリア。部屋へ戻るんだ。ミハエル、2人を頼むよ」


マリオンはいつもと変わらない穏やかな口調で言うが、それは有無を言わせない何かがあった

そのまま馬車に乗り込もうとするマリオンに2人は何も言えず立ち尽くした


馬車が走りだす
そこでユリアはハッとする

「ユリア様!」


突然走りだしたユリアをミハエルは慌て追い掛ける
トーワはただ馬車を見送るしかできなかった


(止めなくちゃ……でも)


どれ位そうして立ち尽くしただろう、馬の走る音に気が付いて振り向けば、馬をかるユリアとその騎士が見えた



「あんたも来たいなら来なさい。マリオンを行かせたくないんでしょ!」



驚き、瞬くトーワにユリアは手を差し出す



その手をトーワは取った


「急げよ!」


「あんた、何様!?」



人に乗せてもらっておきながら、偉そうに言うトーワにユリアはすかさず突っ込む


そんな2人を後ろから見てミハエルは苦笑する
ミハエルの主は本当に真っ直ぐだ
向こう見ずで危なっかしい所もあるが前へ駆け抜ける強さには目を引かれる



(危うい所は私が補わねば……)



クスリと笑って手綱を引き、言い合いを続ける二人の馬を追った