六花の騎士




6年前


……ユリアは8歳で髪が赤く染まった
そして直ぐに王宮に召し上げられた


煌びやかな王宮
かしずく召使たち


全てが変わった
孤児院で煤にまみれて暮らしていたのが嘘のように


ユリアは特に戸惑うことはなかった
しいて言えば礼儀作法などは覚えるのに時間がかかったが



「こんにちは!」

「……こんにちは」



ユリアは講義を受ける部屋で先に座っていた少年に声をかけた
だが少年は憮然としたまま礼儀程度に挨拶を返しただけだった


(可愛い顔してんのになぁ)


「こんにちは」


ユリアは部屋の奥にいた人物に気付く
そちらに目を向ければ滲むように笑う人がいた



「初めてまして、だね。私はマリオン。水属性の王族だよ」



人の良さそうな優しい笑み、20代ほどの年齢に見えるのにどこか子供っぽい印象がある



「初めてまして!あたしはユリア。雷の属性だよ」