ひっそりと啜り泣く声が聞こえる 陽当たりのよい離宮だというのに、今は灯り一つなく、扉は固く閉ざされていた 雨の降る夜だった その離宮が寂しく感じるのは、雨が降っているからだけではないのだろう…… 先日、そこに住まう『天使』様の六花の騎士(りっかのきし)が亡くなってしまったからだ 左胸に新たな六花の騎士である証 暖かなオレンジ色をした薔薇を身着けた青年、レイド・コルテウス 彼は静かに、閉ざされた扉を開いた アレは確か、5年ほど前のことだった