教会は人払いがされて、閑散としていた
昼間の暴動は、知らせを受けた軍隊によって鎮圧
被害は最小限にとどまったと言っていい


その教会で、散らかった椅子にトーワは腰を下ろす


「…………」


ただ黙って天井を見上げる
月明かりが割れた窓から柔らかく差し込んでいた


ぼんやりと鈍い思考が頭を巡る
なんと表していいか分からない
叫ぶ男達、そしてサラという名の少女


幼い頃の罪


それは、トーワの全てをがんじがらめに縛り付けた
首都サンブリカでは、極たまに大きな罪を犯した者を裁く儀式があった



裁くのは業火の天使