怨嗟の声が耳にこだまする
聞こえてくるはずもない穏やかな小さな町の喧騒
そして、それを燃やし尽くす自分
幾多の悲鳴と怨嗟の声
最初は例え、事故ですまされたとしても、それから行って来た事は決して許されることではない
許すことなど
絶対にしない………
「死ね!化け物!!!」
振り上げられた短剣は真っ直ぐに自分に向けられた
彼女の恨みは間違えてはいない
町を消したのはあの時だけだ
きっとあの町の者の知り合いだろう
小さな町だったが、そこは大きな町の間にある通り道だった、と聞いている
そんな町が一晩で消え失せた
そして、ここにいる男達はそれぞれ王族に不信感を持っている者だろう
長い長い歴史の中で、誰もが王族を信頼している訳ではない
歪みは必ず生まれるものだ
そう、ぼんやりとトーワは思った
迫って来た彼女の短剣は床に叩き落とされてしまった
素早くサラを拘束したのは青薔薇の騎士
引き倒され、背に腕を回され押えられたサラは必死にもがいた
「はなせ!殺してやる!」
苦し気な顔でダドワ神父がトーワとサラの間に入る
「もう、お止めなさい……」
そこへ駆け寄ってきたメノリをトーワは見つめた
「……トーワ」
ぎこちなく名を呼ぶ少女は困惑した瞳で見上げてくる
きっとこの少女は知らないのだろう
王族が、いや俺自身が………どれだけ制裁と言う名のもとに人を殺して来たのかを


