炎に混乱する男達から逃れられたのだろう
床に伏せているが怪我はなさそうだった


「サラ!!」


メノリは今ならば、男達から逃げられるから出来れば安全なところへ、と思い声を上げた、が



「……モノ」



低く、まるでサラではないような声………



「この、化け物!!!」



「…………えっ」

「………………」



メノリとトーワに向けられた声だった
メノリはただ瞠目するしかなかった
サラの瞳は、狂気にも似た憎しみに染まっていた
そして、その憎しみはメノリ、いやトーワに強く、強く向けられていた
トーワも瞠目したまま、サラを見ていた



「……やっぱり……あんたは化け物だわ……」


青白い頬に涙が伝う


「私の育った町を灰にした化け物!!何が神の子よ!神の子だったら人を殺しても許されるとでもいうの!?」



メノリは見た


小さく震えるトーワの身体を………