「きゃああああああぁ!!」


サラの悲鳴が響き渡った
サラの近くにいた男達が燃え上がりその場は混乱する
怖じけた男は逃げ出し、傍にいた男達は炎を消そうとするが、その炎は消えない
ただの炎ではないからだ


「トーワ様!」


キャリベルはトーワの腕を掴む
それに少し汗を流しながらトーワは答える


「……大丈夫だ、加減してる……今の内に終わらせろ」


キャリベルは直ぐに考え、頷いた


「分かりました……無茶はなさらないで下さい」


スラリと腰に帯びた剣を抜き、キャリベルは構える


「ダドワ神父……お願いします」


トーワの前に立つダドワ神父に言う
神父が頷くのを見てキャリベルは地面を蹴って炎に困惑する男達に突っ込んでいった
軍人とは思えない凛とした白い軍服に身を包んだ女性は、流れる様に男達の剣を叩き落とし、急所を殴打して次々気絶させていった


(すごい……)


メノリはポカンとその様子を見つめていた
六花の騎士が強いと言う事は知っていたが、こんなにも大勢を相手にまるで舞っているように、次々地に伏せさせている姿は感歎してしまう
ティアに庇われながらその様子を見ていたメノリは床に倒れたサラを見つけた


そして、不意にサラと目があった