六花の騎士




暖かい腕に抱き締められた
自分を抱き締めた年上の少女の方が、泣いているように震えていた
けれど、抱き返すことが出来なかった


何故こんなにも、体の自由がきかないのだろう
腕を上げる事さえ、胸が震えて、腕が上がる気がしない


「………?」


なんだろう?頬をつたい落ちる冷たいものは?
確か、しかられて泣いたときは、目が熱くて頬が赤く成る程、熱い涙だったのに


俺は知らない


こんなにも、冷たくて、つたい落ちるたびに、全身が凍りつくような涙を


自分がボロボロと泣いていることにやっと気付いた
けれど、それをぬぐうことが出来なかった



「あのね……私の家はね……随分まえに、貴方と同じ能力を持った王族の方と結婚していたの……」


少女、キャリベルと呼ばれていた少女は静かに語り始めた