六花の騎士




馬車の窓に高い煙突や大きな工場が映り始め、メノリは興味津々でそれを眺めていた


「……すごい、大きい……」


思わず呟いた言葉にトーワがバカにしたように言った


「当たり前だろ。工業の盛んな街だぞ」


馬車に揺られて半日、一言も喋らなかったのに第一声が皮肉
メノリはムッとして言い返す


「そんなこと分かってるわよ!私の住んでた村にはなかったから珍しかったのよ………」


そうだ、もう帰ることのないあの村はのどかな所だった
故郷に思いを馳せているとトーワがポツリと呟いた



「気楽なもんだ……」

「えっ?……今なんて…」


そう言ったところで、馬車が止まった