そこには、いつに無く人々の落ち着かないざわめきがあった
ローゼッタシティの人々は、街などにそれぞれある教会の前に集まっていた
王族とは神に選ばれ、世界に恵みをもたらす尊い方だと認識されているため、その姿を目にするのは、民にとって素晴らしいことなのだ
「あっ、いらっしゃったわ」
護衛兵に囲まれた豪華な馬車が教会の前に止まる
そして白い軍服を着た女性が馬車の扉を開く
人々からは感嘆のざわめきが上がる
馬車から下りてきた16、7才の少年は見事な深紅の髪
その少年が手をとって下りてきた少女も絹糸を束ねたような、美しい真紅の髪
歓声を上げる人々の間に、好奇心とは別の眼差しでその赤い天使達を見つめる瞳がいた
だが、その不穏な瞳の色に気付くものはいなかった


